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sadaijin_nanigashiの日記

虚無からの投壜通信

日々のあれやこれやをいろいろと。

2016年フランス旅行(8): 久しぶりのシテ島

【3日目】

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地図を眺めてどこに行くかを考える。正直この界隈からだと行けるところはあまり多くないのだが、バスに乗ればシテ島まで一本で行けるらしいと言うことが判明した。そういえばシテ島のあれやこれやは10年以上訪問していない。ノートルダム寺院のクリーニングも終わったようだし、どういうものであるのか見に行くかということでバスに乗る。

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バスは一旦右岸地区に入って市役所の前に止まるため、そこで下車。端を渡り、観光土産物屋だらけの通りを歩いてノートルダム寺院方面に向かう。

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久しぶりに近くに立ち寄るノートルダム寺院はずいぶんとファサードがきれいになっていた。以前は排気ガスでもっと黒ずんでいたし、彫刻も所々大きく傷んでいたものだった。テロの脅威があるとは言え、このエリアの観光客の賑わいは相変わらずだ。無論、あちこちに自動小銃を構えた治安部隊が睨みを利かせているのだが。

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そしてここがフランス全土の道路のゼロ起点になっている地点。ノートルダム寺院の正面入口のすぐそばにあるため、自撮り棒を使って両方をアングルに入れて写真を撮る人々が大変多かった。個人的印象だが、ここがゼロ起点であるということは昔はあまり知られておらず観光ガイドにもほとんど載っていなかったのだが、今回の訪問ではずいぶんと有名になっていたようだ。これもSNSなどの力だろうか。

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薔薇窓をカメラの高感度のテストがてら撮影してみる。

今回の旅行では撮影機材としてボディはD750、レンズは14-24mmF2.8と24-70mmF2.8(初代)を主に携行している。あとで書く予定だが本当は望遠レンズも持って行きたかったのだが、70-200mmF2.8はまだ持ってないし200-500mmは手荷物として持ち運べるサイズでは全くないため、一応ということで18-200mmVR(初代)は鞄に詰めていた程度である。

教会のように光量が非常に少ないところでは高感度に強い撮像素子の力が遺憾なく発揮されたが、等倍で眺めてみるとステンドガラスの描写においてはレンズの貢献するところも大であったと思う。大昔にコンパクトデジタルカメラで撮影したときとは比べものにならない画像が得られるのはありがたいとしか言いようがない。

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ノートルダム寺院を出て左岸地区に再びちょっと足を踏み入れる。

アイキャンディ的と言えばそれまでなのだが、フュゾー規制のおかげでこのような写真でもそれなりに絵になるのは流石というべきだろう。そのせいで都心部の再開発がなかなか進まないという問題はあるのだが、そんな経済性の価値よりも人間にとって何がより大事なのかを、この風景はセーヌ川を渡る風と共に教えてくれるように思う。東京では、勿論自分が住人であるという事実が先行しているわけだが、フラフラと歩きながらカメラを構えて撮ればかつてと変わらぬ風景がフレームに収まるという場所はほとんどない。そしてその不連続性あるいは過去との断絶が、自己が立つ場所の時間的性質に対する認識を不安定なものにしてしまうという問題は反省的に認識されて然るべきだろう。例えば、このパリの地点は、私が留学していたかなり前も恐らくそのままだった。そしてそこに私が再びやってくることで、私は自己の変質を見つめ直すことができる。しかし、外部世界が絶えず変化を続ける環境では、意識は自己の変化よりも外的世界の変化に追随することを優先するあまり、内面の問題をどこかに置き忘れてしまう。視覚への傾斜をとかく強める今日の社会においては、その問題は人間性の危機とセットで捉える必要があるように思う。

 

あちこちを歩き回ってかなり疲れたようだったので、バスに乗ってホテルに帰投。ホテルそばのカフェで軽い食事を取る。10時頃就寝。