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sadaijin_nanigashiの日記

虚無からの投壜通信

日々のあれやこれやをいろいろと。

福島第1核発電所―フリガナだらけのテキストが物語るもの

1 FOR ALL JAPAN|廃炉のいま、あした

福島第1核発電所廃炉作業を行う作業員と関係者のために開設されたWebサイトがある。もちろん、Web環境何それおいしいのという作業員の皆様のためにも、冊子版(ニュースレター「月刊いちえふ。」, cf. 

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images/d151126_14-j.pdf

)が2,000部ほど現地で配布されているらしい。

具体的内容は食堂での献立とかバスの時刻表とか放射線量のサーベイマップとか、現地で働く人たちのインタビュー(ただし上流工程の人が多い)など。現地でどのような仕事が行われているのかのリアルを知ることができるという点でも、それなりに興味深い内容ではある。

ただ、一目見てその異様さに気づく人は多いだろう。つまり、ちょっと難しそうな漢字には片っ端からフリガナが振られているのだ。特にインタビュー記事のコーナーではそれが顕著で、「陳列」「販売機」「雰囲気」「吸着装置」など、義務教育課程を普通に終えた人なら余程のことがない限り読めるような語までフリガナが振られている。通常、この水準の語は新聞でもフリガナは振られない。「喜連瓜破」とか「弟子屈」とか「九品仏」みたいなハイパー難読地名ではないのだから。

ということはだ。これらの広報媒体の読者層として想定されているターゲットには、義務教育課程においてまともな漢字の読み書きを残念ながら身につけられなかった、あるいは義務教育そのものからドロップアウトしてしまった人々が少なからず含まれるということだ。

これらの層が核発電所の所謂「汚れ仕事」を今までもやってきたという話は、堀江邦彦氏の『原発ジプシー』( https://www.amazon.co.jp/dp/4768456596 )でも有名な話だが、それがリアルタイムで、しかも絶望的な見通ししかない核事故の後始末に関して進んでいるという話は、日本の核発電産業の構造がレベル7の大惨事を経ても何も変わっていないということを意味している。

なお、このようなWebサイトや冊子は東電の広報部が直接関与して制作することは少なく、通常は外部のWeb制作会社や編集プロダクションに委託するのが普通である。そして私はその会社がどこかについてある程度の情報を掴んでいるが、裏が取れていないということもあり、それを公開することは今のところできない。続報が可能であるよう、期待してもらえればと思う。