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sadaijin_nanigashiの日記

虚無からの投壜通信

日々のあれやこれやをいろいろと。

忘れること、そして思い出すこと。

withnews.jp

そんなサイトやブログを、いくつか知っている。
同時進行形でその更新が止まる様を見てきたケースも、いくつかある。『魔法の笛と銀のすず』は、その最初の例だったろうか。そして、最近では、松来未祐さんのブログがそうだったろうか。

そして、そんなときの一つに関連して、以前私はブログに書いたことがある。それを転載したい。


「デジタルとは、残酷な世界である。物理的な障害が生じない限り、メディアに刻まれた情報はそれを残した当人の時間を超えて蓄積し、残存していく。じじつ、ネット上では、今は既にこの世にいない人々が残した文章、写真、イラスト、動画等を、私たちは見ることができる。それはまぎれもなく、彼ら・彼女らがかつては情熱をそこに注いでいたのだという在りし日の息吹を、伝えてくれる。


だが、人間というものは、忘れることで生きていけるものではないのかと思う。いや、正確な言い方をすれば、全ての生々しさから少しずつ少しずつ形象をはぎ取って、過去というものを時間の回廊にしまい込んでいく作業をするからこそ、私たちはそれが語り得ぬものではなく、語られうるものにようやくなることに安堵を覚えるのではないだろうか。


しかし、このデジタルという世界は、そのありがちで表層的な理解とは全く逆に、全ての生々しさをそのままにとどめることによって、私たちが忘れることを許してくれない。それは、タンタロスのように永遠の乾きという罰を受けているかのような痛みすら与え続ける。


もちろん、その生々しさと共に忘れてはいけない過去というものは、確かに存在する。けれども、私は、時には少しずつ忘れることで、人として穏やかにありたいと思う」