sadaijin_nanigashiの日記

虚無からの投壜通信

日々のあれやこれやをいろいろと。

浜辺に残ったわずかな足跡とその記憶

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篠原美也子のこのテキストでは、2つのテキストについて言及されている。「言葉の力を取り戻せ」と「敗者であることは勝者であることより難しく」の2つである。

恐らくこの記事を読んでいる人は気づくと思うが、この2つのテキストの筆者は私である。いずれも20年くらい前に書いたものである。それからどれほどの月日が質的にも量的にも経ったのかを思い返すだけで頭を抱えたくなる。

そんな私ももう50を目前にした中年のしがないおっさんに成り果て、つまらない仕事で口に糊する日々を続けている。若い頃に夢見た自分にはついぞなれなかったし、今の自分の希望を満たす日々にももちろん到っていない。早い話がそこら辺にいる敗残兵&人生を惰性で生きるだけのつまらない存在に過ぎない。

でも、こうして40%くらいは若さ故の暴走で書いたようなテキスト(それを書き、公開したこと自体は後悔していないけどね)が、篠原美也子本人に厳しく届き、今でもその立ち位置を見つめ返すときの1つの躓きの石となっているとしたら、これほど嬉しいことはないと思うのだ。

私の人生は恐らく砂浜に残った足跡のように、多くの人には顧みられることもなくいずれは消えてゆく。だが、それでも、たった一人であっても、私の言葉が人の心に届いたのであれば、この束の間の人生も一応の意味はあったのかなと安堵するのである。