sadaijin_nanigashiの日記

虚無からの投壜通信

日々のあれやこれやをいろいろと。

曲学阿世のアナリスト

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スマホの人気が出始めた2010年頃に、スマホコンデジの共存をテーマに市場予測レポートを書いたことがある。バックデータとしてはコンシューマサーベイや部品の集積率に関する予測などを用いたのだが、私がそこで導いた結論は「コンデジのローエンド市場はスマホですぐに壊滅、ミドルレンジは超高倍率モデル以外はスケールメリットが維持できなくなりジリ貧、センサーサイズがでかい高級モデルだけがそこそこの市場で残る」というものだった。勿論マーケットサイズの推定もやっていた。

ところが、この結論が顧客の機嫌を損ねるのではないかと危惧した当時の出戻り上司Oと外部から呼んできた部長Sなどが細かいデータの解釈から何から何まで難癖を付け、結果として私の結論は撤回させられた。そして代わりに「スマホコンデジは共存しうる」という結論が前面に出ることになった。

もちろん、市場がどうなったかは上に引用した記事の通りであり、余程スパ抜けた機能でも持たない限りコンデジ(とビデオカメラ)は最早死に筋の商品である。私の導いた結論を潰したOとSの知能や倫理が腐りきっていることを指摘するのは勿論のことではあるのだが、彼らを説得するか無視するだけの強さを持つことが出来なかった当時の自分が情けないと思う。

撲つべきは他者の愚昧ではなく自らの弱さであると、今は思う。